母方の祖母が生前大切にしていた、パールの指輪。
昔、祖父母が伊勢志摩に旅行へ行った時に買った大切な思い出の品と。
クラシックな華奢なデザインのリングがレトロで、なんともいえず好きでした。
私の思いが通じたかのように・・・
亡くなる何年か前に
「この指輪、よっちゃんが欲しがっていたからあげるわ」と。
大好きな祖父は88歳、祖母は92歳と、自宅で看取りました。
祖母が亡くなった時、私が死化粧をしましたが、とても綺麗な顔をしていたのを思い出します。
私の娘が生まれた時は、ひ孫の誕生を二人ともとても喜んでいました。
近くに住んでいたので、私に用がある時は、よく子守にも来てくれました。
年子の子育ては大変?でしたが、祖母も母も近くにいてくれ本当に助けてもらいました。
祖母にとっての初孫だった私は、それはとてもとても可愛がられたようです。
いつも紅茶に豆乳を入れて飲んでいた祖母宅には、あのリプトンの缶があり、
私は、2〜3歳頃、「リプトンこうちゃのむ?」と祖母にいつも言っていたようです。
お墓参りには、もちろんこれを身に着けていきます。
二人が眠ります、お墓の前で手を合わせると、なぜだか心がほっとします。
とても小柄な祖母でしたが、満州から引き揚げてきた時の話を聞いていると
とても芯の強い、家族の幸せを第一に考える素晴らしい女性であると尊敬していました。
ほとんど何も持って日本に帰れなかった状態で、あの時代に我が子5人を育てた祖母。
一度だけこんなことを言ったことがあります。
「長く生きていると嬉しいことも沢山あるけど、悲しいこともあるわ・・・」と寂しそうに。
祖母は、先に子供(つまり私の母の妹と弟)を亡くしています。
私にも子供がおりますが、自分より先に・・・子供が・・・など到底想像もつきません。
しかし、人はその悲しみを乗り越えて生きていかなくてはならないのです。
今こうして自分が存在するのもご先祖さまのおかげです。
「おじちゃん、おばちゃん、いつもお空の上から私たちを見守っていて下さいね」
ずっと大切にします・・・