社会人になり、同期入社した仲間の腕時計がとても素敵で気になり・・・

聞くと、ナント!ご実家が浅草の鼈甲屋さんとのこと。

今の相場はわかりませんが、当時はとてもお安くしてくれたと思います。

 

鼈甲とは、たいまい(ウミガメの一種)という亀の甲羅を材料とする高級工芸品。

今では希少な素材であり、本物の鼈甲だけが醸し出す色合いは素敵です。

鼈甲は、一枚の甲羅を切り出して製品となるのは少ないため、

数枚を張り合わせて厚みをもたせています。

その際、接着剤は一切使わず、甲羅自体の成分と熱と水の圧力をかけることで、

このようになるのを、以前鼈甲やさんで見てびっくりしたものです。

 

ということで、「私も欲しい!」と、作って頂いたのがこちら。

自分の持っている時計や腕の大きさにサイズをわせてオーダーを。

独特のアメ色の艶やかなやわらかい光沢感がなんともいえません。

 

1987年ですので、24歳の時着けていますね、若さで顔が今よりふっくらと。

 

とっても仲良かった友人も、一緒に作りました。

彼女のは、私のより薄い色合いになっています。

私はどちらかというと、濃い色が多い方が良かったので、そう伝えて。

 

内側は、カチッと留まり、こんな感じで、ブレスレット感覚の時計といった感じです。

とても軽くて着け心地も良いです。

 

甲羅の柄は天然のため、様々な文様があります。

甲羅を張り合わせた時にバランスよく、限りなく自然な柄にするためには、

何回も重ねては色味の調整を行うそうです。

このカーブを出すのは、見事な職人技です。

自然のものということで、同じものがないのも魅力ですね!

 

いつか、和服に鼈甲のかんざしを欲しいな〜と思っています。

お店があると気にして覗いていますが、欲しいなと思うデザインのものは、

大きさもあるせいか、お値段見てビックリします。

 

日本の職人技の素晴らしさ、改めて感心致します。